第18回日本慢性看護学会学術集会

会長挨拶

このたび、第 18 回日本慢性看護学会学術集会を2024 年 8 月 10日(土)~11 日(日)に開催させていただくことになりました。
 病いとは、症状や苦しみを伴う人間の体験であり、慢性疾患を患うことは、様々な症状とともに生きていくことになります。 痛み、息苦しさ、排便困難、倦怠感などの症状があることは日々の生活への支障が大きく、生きることへの苦悩にも繋がります。 しかし、症状緩和に関してはこれといった治療や症状緩和の方法がないのも現実であり、医療者としても十分に目を向けることができていない状況もあります。 そこで、「慢性の病いと生きる人の生活を整えるケア~症状とともに生きていくことを支える~」を今回のテーマとしました。
 症状マネジメントのための統合的アプローチモデルは、看護師が系統的に症状マネジメント行っていくためのモデルです。 このモデルは症状の体験に着目しつつ、その人のセルフケア能力を支援するものですが、その人の症状の体験に関心を寄せ、症状をゼロにすることは難しいかもしれませんが、一緒に症状マネジメントについて考えていくプロセスがとても大切であると思っています。 症状をマネジメントし、少しでも生活が整うケアについて、皆様と一緒に考えることができたらと思っております。
 基調講演では、患者の思いを酌み取る看護につなげるためのコミュニケーションデザインについてご講演いただきます。 教育講演では、症状マネジメントのための統合的アプローチモデルを紹介していただきながら、患者中心の症状マネジメントと看護ケアについてお話いただく他、高度実践看護師による生活を整えるケアや、時間栄養学の視点から慢性疾患患者の食事を考えるという内容についてご講演いただきます。
 学術集会を通して、慢性の病いと生きる人々の苦しみを理解するという看護の重要性や、少しでも生活での安寧を保つことができる看護実践の発見につながることを期待したいと思います。 皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

  • 第18回日本慢性看護学会学術集会
    大会長森 菊子
    (兵庫県立大学看護学部)